人気ブログランキング | 話題のタグを見る

訪ねてきました 「無言館」_d0394638_12092402.jpg
無言館「時の庫」 ここに未展示の遺作・遺品が600点ほど保存されている



無事 何事もなく? いや、道中色々ありました。それはそれとして別途報告で。なんと走行距離は往復で1070km。一日の連続走行500km越えという数字は非力ながらショートストローク1000㏄エンジンにしてはなかなかのもんですね。 冗談がホントになりました、祝1000km達成。やってくれましたネ! 還暦60歳の愛車FIAT600 と75歳の俺w ロートルコンビ(笑) しっかし、今現在も頭にエンジンの唸り音と 腰に路面の凹凸の振動とが後遺症で・・・。


戦後生まれの一人として 広島原爆ドーム同様に、一度は訪ねてみたかった「無言館」。。。やっと訪ねることができました。ありがとうございました。 で、「湯けむり紀行」のタグに加わるはずのこのブログ記事をどのようにまとめたらいいか? 実際 あの出発前の浮足立った心境が「無言館」訪問後、グラッと崩れ果ててしまいまして、それでこの旅行記を どんな風に筋立てを仕直せばいいのか? 正直なところ悩み処でした。

当初 道中記を面白おかしく報告し、自分を労おうと思っていたのですが、実際 とてもそんな浮いた話ではなかったのです。ほんと、「驚きの連続」を抱いてきました。



訪ねてきました 「無言館」_d0394638_19392273.jpg
「無言館の青春」という本と 絵はがき8枚買いました



神妙?、、、無言館に行かれたことのある方なら 解ってくれると思うんですけど、例えば、原爆ドームを見ての感想を尋ねられたら、誰しも同じような受け答えになるんじゃ?、、、『じっくり思い返しをしないと、「言葉として」出てこない・・・』と。
「印象として」なら、たった一つだけ 想像してたのと「違ったな」と思いました、、、日中戦争、太平洋戦争の遺作や遺品を集めた、それだけの展示館じゃない ということでした。

当時 20代の若者が一心不乱に表現し、絵筆を走らせたであろう、、、その姿や想いが 戦争でプツっと断ち切られてしまった。それぞれの止められた時間が、ここに展示されることで 再び、画学生たちの絵筆を運ぶ姿と共に「時間を繋げて」見ることができる・・・そう感じました。戦地に送り出した親たちは 出征当時の絵筆 カンバス イーゼル パレット・・・当時のまま遺していたといわれます。それらがここ「無言館」に集ってきたということですね。

戦争そのものを、奪われた青春をも、彼らは「一つの時代」として覚悟し受け容れておられた。それでも必死に限られた時間を懸命に生きて カンバスに自分を向かわせていたんですね。「赤紙」を受け取り、応召の日から戦地へ。 たった2、3日間の猶予であっても 「描きたい」・・・「あと5分」「あと10分」と自分をカンバスに向かわせていた。自分の命が続く限り思ったろうと、、、ドッと一度にコチラ、見る側に伝わってくるんです。

自分が自分であることを証明する画、その表現者たる証し、画学生たる「画」をただ『描きたい』と必死に願ったろう。明日をも分からぬ戦時にこの自分が「生きた証」として。私にもそれが「無言館」の画の前に立つことで、グッと彼らの想いが伝わってくる。


彼らにも公平にあるはずだった「青春の続き」が ここ「無言館」にあるのでした。そう・・・、「ある」、「あっていい」と 私は理解しました。単に 遺品遺作の展示館じゃなかったんですね。
神前ではなく、鳥居はなく、軍服姿も居ず、日の丸もない、愛国心を問われることもない、儀礼も要らない此処は・・・じっくり「平和、生きること、命、を考える空間」だったんですね。

こういう「静かな訴え方」もあるんだな、、、と 正直、閑かなるショックを受けました。



訪ねてきました 「無言館」_d0394638_16032939.jpg
「無言館」 正面入口


塩田平の現地に着くと、何処が入口なのか、ドアかが見えず、入口とわかるのに時間を要しました。それはコンクリート打ち出しの無機質な建物で ただそこに「在る」というだけの在り方でした。 観覧料というか入館料を払う受付のような所もなく チケット代の明示もありませんでした。一通り観覧を終えて、列の最後になった頃に、受付がひっそり、こっそり あっただけ。。。シルバー割引だと思うんですが「大人1000円」を払ったら、200円お釣が来ました。

プレゼンテーションもない 入口かどうかも分からないまま 知らずに、重いドアを開けた途端、急展開する「世界」だったんですね。終戦から続く「時間と空間」が暗いその中にありました。80年もの間、今日も時が続いて「流れている」というべきか。けして「過去の事物」ではなかった。


訪問のきっかけにもなっていた、今回の「楽しみ」が一つだけ 私にはありました。それは、中村萬平という画学生の描いた「霜子」という絵と対面することでした。彼は 東京美術学校油画科(現 東京芸術大学)に昭和11年に入学し16年に卒業。その翌年、応召し中国の華北に出征します。

彼は在学中にモデルを務めた女性と結婚しました。そのモデルが「霜子」さんだったのです。彼らの結婚を周囲は反対していました。 お腹には赤子がいるわけですが、、、我が子長男「暁介」の出生を知りながら その翌年、出征先の病院で26歳の若さで戦病死します。戦況は兵站枯渇で、兵隊さんの6割が餓死するほど、栄養失調で亡くなられたわけです。バターなんて手に入らなかった時代です。悲惨というか それこそ無念だったろうと思います。さらに 妻の霜子さんも出産後の病状悪く、後を追うように他界します。

その息子さん、暁介さんが こう語っていらっしゃいました。「この『霜子』という画を見ていると 父は母だけを描いたのではなく、お腹にいる私のことも描いてくれたんだろう」・・・と。 結婚に反対された理由は「モデル業」への蔑みでした。戦時の世です。 職業モデルへの白い眼、社会的に隅に追いやった時代、職業差別の時代でした。

暁介さんと父と母と、親子として結んでるのは この一枚の「霜子」だけ。親の顔を思い出そうにも この画のほかに 手紙も写真もないんです。暁介さんが つづけて語るのですが、、、「自分が生まれたのはモデルという職業だった母がいたから。。。その職業に感謝しているほど」・・・と こう話すんですね。 この言葉を知って、自分がいつか「無言館」にいけたら 是非 中村萬平さんの描いた「霜子」に対面してこよう と 秘かに思ったものでした。

この日を楽しみにしていました、、、 会えてよかった。 私も安堵を得ました。。。


訪ねてきました 「無言館」_d0394638_11224352.jpg
「霜子」 中村萬平 
*「絵はがき」を画像にしました それにしても モデルの優しさが表情に出てますね



いま日本は女性総理の輩出で、内閣支持率80%などと東欧の統制国家のような?「根拠のない数字」を掲出し プロパガンダ産経新聞・読売新聞は囃し立てています。早速、その新政権が軍事予算をGDP2%まで拡大するとし、トランプに媚びを売ったようです。軍拡の目的はアメリカの望む「極東軍事の肩代わり」。これこそ「安部政治」の踏襲です。


この問題、、、もともと発端は・・・「しんぶん赤旗」日曜版の大スクープから始まったんでしたね、「金権裏金議員」問題。そこから国政選挙があり、自民党の衰退・過半数割れが始まって 石破内閣が不人気だとか???。 選んでおいてヤメロだなんて 自民党って呆れるほど無責任な集団ですね。彼ほど説明に時間をかけて回答した歴代総理大臣もいなかったのに。。。つまりは、、、女性総理誕生が国民の支持を得た・・・ということではなく、あくまで「自民党の金権腐敗政治」問題があって 自民党の政治が支持を得たわけではないということですね。

もっとも、、、諸悪の根源「企業献金」を失くさない限り クリーンな政治はまったく期待できません。。。もう忘れたんですかね??? 古くは、「ロッキード疑獄」 田中角栄がブタ箱に入れられたんですよ。大スキャンダルでしたよ。それと新しくは、「リクルート事件」 自民党の首相はじめ全大臣がリクルート社の江副会長から「リクルート株の譲渡」を受けていたじゃないですか、、、「内閣総辞職!!!」 もうお忘れですか??? あの当時、国民の怒りを鎮めるために「企業献金を止める」と自民党のトップが言い出したのに。。。

裏金・金権体質を持ったまま高市政権になっても 新聞が言うほど「高支持率」は得られないはず。ましてや80%だなんて「悪い冗談」です。 自民党支持率は34%、目下ダダ下がり中 28%かな?それなのに、トランプと軍拡の約束だなんて、これこそ「売国」行為じゃないでしょうか。自民党保守派にすれば、極右派に「軒先貸して母屋を盗られる」風でしょう?対米従属下で、集団的自衛権と称し、、、国民の血税を軍事力に注ぎ込む、、、「底の浅い自民党政治」が虚栄を張るようなもので、横山泰三さんの風刺画的で、滑稽にさえ映ります。

内政では、消費税は下げないようで、その理由となってる「レジを変更するのが大変だから」などということは無意味です。実際、POSに関わってきた身からすると、「レジのプログラム変更は閉店後にサッとやれます」。POSシステムを販売してきたので裏事情は知り尽くしております。。。

減税ナシ、、、いわゆる103万円の壁未解決、、、ガソリン減税は元卸補助金で、さらに穴埋めとして走行距離課税案が出てる、、、米価は市場任せで政府介入せず、石破内閣で食糧米増産といった矢先に高市内閣は「減産」、カリフォルニア米依拠、、、日本農業危機! 次々と国民生活裏切り行為。。。「ウソつき内閣」やってくれます、維新も維新で「内部還流」で闇儲けの日常で呆れる。。。私腹を肥やしておいて、何が「身を斬る改革」なんだ? 国民の期待とは真反対のことを成そうとする政府には米一粒も期待できない。

こんな世の中を生み出すために、、、80年前 若い彼らの命は捧げられたんでしょうか? 


というわけで、多事な暮らしと紅葉時期が重なり、やっと「無言館」を訪問したのですが、私の気持ちの中では、「より一層、軍拡推進派との対立点が明確になったな・・・」と 思うようになりました。今回の「無言館」訪問は 私の内心を掘り下げることに成ったようです。



訪ねてきました 「無言館」_d0394638_19561690.jpg



ここで瞑想。。。 
貴方やあなたの家族の「未来の姿」を 思いめぐらせてみましょうか?

 「戦争という大禍」を なぜ、私たちは背負わされてきたの? 
 また再び「戦争という不安と負担」を背負わされるというの?
 一体どうして、こんな政治が続くの???

ここ「無言館」こそは 「平和、生きること、命、を考える空間」そのものでした。館長であられる窪島誠一郎さん、彼の自伝的小説『流木記』には「画家には二つの命がある。一つはナマ身の命、もう一つは作品にこめられた命」と書かれています。若くして戦死された画学生たちは 80年前に描いた作品の中で今もなお生き続けている。彼ら画学生たちが願ったのは・・・「無垢の平和」ということなんでしょう。


今回のブログは 以上です。今回もまた 長文にお付き合い戴きまして 誠にありがとうございました m(__)m






付記: 
樹木希林さんの娘さんと言えば分かり易いのか? もっくんの奥様と言えばいいのか? 内田也哉子(ややこ)さんが 無言館の共同館主として 昨年、就任されておられます。。。

樹木希林さんが ある日突然、無言館にやって来て、窪島誠一郎さんに向かって「あなたに あいたかった」と。。。そのことが縁で 也哉子さんが副館主になられたという。 このエピソード、まさしく樹木希林さんらしいですね。






# by tabilogue3 | 2025-11-04 12:26 | 個旅・紀行的なもの | Comments(4)